緑色の防塵塗装の床に落とした吸殻を踏みながら老人は小言を吐いた。 「いつまで待たせる気だ」 老人は倉庫の表で待機しているSPからの無線連絡を待ち侘びていた。 「剣未なら来ないかも」 後ろから女の声がして老人は視線を向ける。 倉庫の裏口から勝手に出入りできるのは限られた者だけ。 「どうしてじゃ?」 老人は顔を斜めに歪めて尋ねた。