ボロボロの剣未を後部座席に寝かせ、肘でフロントガラスを払い除けて車を走らせる。 追いかけてくる篠田レミの姿など目に入らなかった。 病院に連れていくと、医者には数時間安静にしていれば自然治癒で治りますと言われた。 屈強な男は少しでも早く回復してもらおうと、瑠諏に渡すはずだった血液バッグを取りに車に戻った。 病室に帰ってくると、ベッドに剣未はいなかった。 風が吹き、真っ白いカーテンが寂しげに揺れていた。