「きゃー」
由貴は絶叫して瑠諏の顔を両手で突く。
離してくれという拒否行動を解除するには由貴を手放すしかなかった。
「自分の顔をよく見ろ」
変わり果てたジョン・ドゥが笑いながら言った。
栄養の失った茶色い歯がポトリと落ちた。
「まさか?!」
瑠諏は入口の横にかけてある鏡で自分の顔を見た。
映ったのは脂ぎった中年男。
ジョン・ドゥ……。
過去のジョン・ドゥの台詞が脳を叩く。
“おれは人間でも吸血鬼でも体中の血を大量に吸うと、その体を手に入れることができる”
瑠諏は理解した。
自分も親から生まれた純粋な吸血鬼ならば、相手の血を余分に吸うと体が乗り移る能力があることを……。



