吸血鬼は淫らな舞台を見る



「賢いね」


「ニワトリほどじゃないですよ」


「クックックッ……」

 瑠諏の自虐的なジョークは男の卑猥な笑いを引き起こす。


「なにがそんなにおかしいんですか?」


「そのジョークを聞くのは2度目だ」


 相手の男は瑠諏が記憶傷害だということを知っている。


 しかも、最近会った相手らしい。


「宮路由貴を返すつもりはないんですか?」


「おいおい、警察に捜査協力している奴の台詞とは思えんな」