冷蔵庫を開けた途端、愕然とした。


 どうしてこんなに血液が……。


 冷蔵庫のライトに照らされた赤い光が顔一面を染めるくらい大量の血液バッグが冷凍されている。


 そして“さぁ、飲んでくれ!”と言わんばかりに目線の先に試験管が横たわっていた。


 瑠諏のイメージでは冷蔵庫には試験管と血液バッグがひとつだけ残っているはずだった。


 奇妙な感覚が脳を刺激する。


 警察に捜査協力した報酬として受け取り、毎回冷蔵庫の扉を開けるたびにショックを浴びる……というデジャブのような感覚。


 どうして今日にかぎって?


 傍に宮路由貴がいるからだろうか?