「なにやってんだ」 剣未はイラつきながら携帯の電源を切った。 「どうしたの?」 それまで車窓からぼんやり景色を眺めていた篠田レミが横目で見る。 「繋がらない。しくじった……」 「だから言ったじゃない」 篠田レミが言葉をかぶせて非難する。 「第2へ戻るぞ」 運転席にいる体の大きな男はおもちゃに見えてしまうハンドルを器用にさばいて車をUターンさせる。