吸血鬼は淫らな舞台を見る



 瑠諏は見詰め合っている時間が長く感じはじめ、相手は声をかけられるのを待っている。


「誰ですか?」

 瑠諏が警戒しながら尋ねる。


「もう忘れたの?」

 聞き返してきた声は女性のもの。


 頭に浮かぶのは篠田レミの姿。


 しかし、彼女が生きていれば40代。


 声はかなり若い。


 となると……。


 意識的なのか声の主は階段を三段上がって影を払い、姿を現した。