「ありがとう。ライターはここに置いとくわ」 由貴は火がついたままのライターを慎重に立てた。 抵抗するとは思ってなかったが、逃げる時間を少しでも稼ぐためにガソリンが浮いている床の上にあえて立てた。 目の前にあるライターを掴もうと細身の男は手を伸ばす。 「あっ?!」 ガソリンで手が濡れていて滑らせたのか、スローモーションのようにライターが落ちていく。 「ぐわっ~」 細身の男はあっという間に炎に包まれた。