吸血鬼は淫らな舞台を見る



「いいかげんにしなさい!」


 後頭部を小突かれ、剣未はゆっくり顔を上げた。

 口の回りには涎がついている。


「この女吸血鬼を助けるのか?」


「男にされるがままの女の姿を見たくないだけよ。逆なら全然かまわないんだけど」


「そんなものでおれは殺せないぜ」

 剣未は黒光りする銃を見詰めた。


「どうかしらね。撃てばしばらく時間を稼げるし、その間にガソリンを頭からかけてあげるわ」


「おれの部下が黙ってないぞ」