吸血鬼は淫らな舞台を見る



 尋ねたあと剣未が目で合図すると、屈強な男がベルトを若干緩めて喋れるようにした。


「姿を消してもらうってどういう意味なの?」

 由貴がわずかな希望を託して訊く。


「そのままの意味さ」

 剣未は冷淡な笑みをまじえて答えた。


「私が死んだり、姿を消せば給料泥棒の日本州の警察だって黙ってないわよ」


「心配には及ばんよ。チョロチョロするネズミが現れたら始末するだけだ」


「瑠諏と言ったかしら?警察に協力している吸血鬼さんがいるんだけど、きっと私のことを捜し出してくれるわ」


「奴には無理だ」

 剣未は半笑いで断言した。