「あんたたち、警察なの?」 乱暴な口調で尋ねてもなにも響いてこなかった。 咳払いひとつしない。 さっきの叱責は由貴だけに向けられたものではないらしい。 沈黙の中、車は徐行するとさらにスピードを落とし、車庫にでも入れるのかソロソロと慎重に進むとやがて停まった。 ドアが開いて左側から香水のニオイが消えると、力強い腕力で由貴は軽々と車から引きずり出された。 「放してよ!」 由貴の声が反響した。 それなりの広さがあって硬い材質で囲まれた建物の中にいるようだ。