ジョン・ドゥが椅子から立ち上がり、腕を上へ上へとあげていく。 「天国に近づいたか?」 せせら笑うジョン・ドゥの声を微かに耳にとらえた瑠諏は思い知った。 客観的な意識に芽生える映像の中で自ら舞台に上がり、闘った経験がないのに挑発にのってしまったことを。 しかも今回はジョン・ドゥに支配されている世界で立場が圧倒的に不利だったことを。 「おまえと闘う必要性はないと思ったが……争うのは必ずしも善と悪とはかぎらないというわけか」 ジョン・ドゥが同情するような顔をした。