しかし、瑠諏の意識はまだ劇場の中に存在した。 座席に座っている感覚に変化はない。 目を開けるとジョン・ドゥの卑屈な笑みが待ち構えていた。 「考えたことはないか、ずっとこの世界に閉じ込められていたら自分の体はどうなるんだろうってな」 「えっ?」 「この劇場から出られなければ、現実世界のおまえの体は植物状態の吸血鬼として人間社会の貴重な標本となるか、おれが海に沈めて魚のエサになるかのどちらかだ」 「脅すんですか?」 冷静に尋ねた瑠諏だったが、表情は険しい。