吸血鬼は淫らな舞台を見る



「意外に短気だな」

 ジョン・ドゥが首を擦りながらだるそうに話しかけてきた。


 初めての経験に瑠諏は言葉が出ない。


 舞台の出演者にこれまで声をかけられたことなんてなかった。


 繰り広げられる舞台は記憶の中のもの。


 座席にいる自分は傍観者に過ぎない。と、思っていた。


 覆(くつがえ)された現実に瑠諏は沈黙する。