「困らねぇよ。どうせおまえの“オツム”(頭)だと忘れるんだから」 ジョン・ドゥのひと言は瑠諏のこめかみの静脈を沸騰させた。 記憶を失ってしまう自分は人間からも吸血鬼からも都合の良い道具として扱われ、存在を否定されている。 脳細胞はコントロールを失い、心臓へ流れる血液の温度が上がって感情の冷静な部分が崩壊した。 瑠諏は無意識のうちにジョン・ドゥの首筋へ飛びついた。