吸血鬼は淫らな舞台を見る



「宮路由貴?ああ、今回おまえが捕まえた殺人鬼のことか」

 ジョン・ドゥは視線を斜め上に逸らし、芝居がかった台詞口調で言った。


「そうです」


「おまえが望んでやっている取り引きなんだけどな」


 黒いスーツ姿の男がジョン・ドゥの前にクーラーボックスを置いた。


「わかりました。でも、いりません」


「決意は固いか?」


「ええ」


「無理だな。おまえは必ず受け取る」