運転席から黒いスーツ姿でガッチリした体格の男が出てきて、ワゴン車から青くて底が白い一般家庭でもよく目にするクーラーボックスを運んでくる。
軽そうに抱えているが、クーラーボックスのベルトのスーツ肩口への食い込み具合からすると重量はかなりありそうだ。
中身は聞かなくてもわかる。
「受け取るわけにはいきません」
瑠諏はボールペンをポケットに仕舞いながら断固拒否した。
「どんな心境の変化があったのか知らんが、その言葉は初めて聞く」
「それを受け取ってしまうと宮路由貴と同類ということになってしまいますから」



