「なるほど、腕に書いておけば見たときに思い出すというわけか。でも、その知恵も無駄だな」 瑠諏は「えっ?」と出しそうになる声を喉元で押し戻した。 「住所を記したメモ以外はおれが消してしまうからな」 「なぜ?」 瑠諏の眉間に皺が寄る。 「捜査が円滑に行われるには知る必要のない情報もあるってことさ」 ジョン・ドゥはまわりくどい答え方をするとクルッと後ろを振り向いて叫んだ。 「おい!持ってきてくれ」