それだけの代償を払う価値があるのか……。 弱い心が心臓を支配しようとしているのは人間に近い心情だ。 瑠諏は自分が吸血鬼だと自覚しているかといえばそうでもない。 事件を解決するために血を舐めるとき、そしてたったいま冷蔵庫に並べられていた血液バッグを見て改めて人間とは違う生き物だと認識させられたくらいだ。 記憶が混濁しているから余りある血を飲んで贅沢三昧に暮らす自分の姿が思い浮かばない。 どうやって血液を? 考えれば考えるほど記憶がねじれ、頭痛を引き起こす。