吸血鬼は淫らな舞台を見る



 生死をかけた闘いの最中に話しかけられ、集中力が欠如した瑠諏の背中が反る。

「くっ……」

 手首がグキッと悲鳴を上げ、苦悶する。


「女だと思って甘く見てた?」


「そうかもしれない」

 瑠諏は正直な気持ちを吐露した。


「どうして人間の肩を持つの?」


「質問が多いです……ね!」

 瑠諏は弧を描いて蹴りを繰り出した。


 由貴は力比べしていた手を解き、瑠諏の蹴りを後方へ跳んでかわす。