吸血鬼は淫らな舞台を見る



「人間と組んで仕事しているほうがよっぽど惨めよ」

 由貴も負けじと瑠諏に言い返す。


「ここは誰の家かな?裏の勝手口から土足でお邪魔させてもらいました」


「晋吾さんの実家よ。ご両親が亡くなって空き家同然なのよ」


「血液銀行に勤めている宮路さんと結婚したのは血を盗んできてもらうためなんですね。しかも仕事から帰ってくると書斎に閉じ込めて束縛していた。気の毒に本を読むゆとりなんかなかった。君のような吸血鬼がいると善良な吸血鬼たちが迷惑するんですよ」


「あなたに迷惑をかけてるなんて知らなかったわ」

 由貴は悪びれる様子もなく、おどけた言い方で切り替えした。