「夫には一緒に暮らしていた恩があるから、刑事さんの血から頂こうかしら」
由貴は床を足で蹴ると飛ぶようにして距離を詰め、トイレの窓ガラスを腕で突いて割った。
ガラスの破片が飛び散るより早く、由貴は片手で原田の喉元を掴んで体を持ち上げる。
「隙だらけね。それとも油断してた?」
原田が呻き声しか出せないのを知りながら由貴は質問を投げかけた。
「もう少し窓から首を出してちょうだい。そうすれば血が吸えるから」
由貴は原田を引き寄せる。
原田は苦しみながらも握っていた銃を由貴の顔面に向けようとする。
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