吸血鬼は淫らな舞台を見る



「無駄な抵抗はするな」


「それはこっちの台詞」


「いままで人間に成りすまして築いてきた生活を捨てるのか?」

 身がすくんでいる原田は由貴の犯罪を容認しかねない質問をした。


「ええ、喉の渇きに比べたらそんなもの惜しくないわ。吸血鬼の本能よ」


 原田の説得はあっさり片付けられた。


「どうしよう?どっちの血がおいしいのかしら?」

 由貴の眼球は2人の男を品定めするために忙しなく動いた。