吸血鬼は淫らな舞台を見る



「お……おれたちの……け……結婚生活はなんだったんだ?」

 宮路晋吾は人生最期の質問を愛の確認のために使った。


「私にとっておなたは喉が渇いてどうしようもなくなったときの保険にすぎないの」

 顔の筋肉を隆起させ、人間を丸飲みさせるくらい口角をこめかみまで裂き、恐怖を増幅させる変貌ぶりを見せつけた。


 由貴は妻としての責任を放棄して吸血鬼に完全に成り下がる。


「う、うわぁ~」


 宮路晋吾の絶叫を聞いた由貴はニヤッと笑い、細い指を肩に食い込ませ、乱杭歯を首筋へもっていく。