吸血鬼は淫らな舞台を見る



「演技よ。誰に見られてるかわからないもの、本気で襲うようにしないと意味ないでしょう」


「そんな風には見えなかったぞ」


「バレた?」

 由貴はペロッと舌を出した。


「鉄板の上に撒いた血を飲んでおけば我慢できたんじゃないのか?」


「潔癖症なの。あっ、それからあなたの捜索願を出しておいたわ」


「血液銀行が独自に動き出すまで待ってくれよ。どうして余計なことをするんだ?」


「ちょっと会ってみたかった吸血鬼(ヒト)がいるのよ。それに私は悲劇のヒロインになりたかったの」


「おまえは異常だよ」


「人間じゃないもの」