木造平屋で表札がなく、誰の家なのかわからない。 窓のひび割れた部分にはガムテープが不器用に貼り付けられ、壁を補修している板も釘が浮いて頼りない。 住居としての役割の限界を超えつつある。 原田は銃をホルスターから抜いて聞き耳を立てた。 建物の右側のほうからガチャンと何かが割れる音がした。 引き戸のドアがある正面玄関右手に切り取られた小窓は磨りガラスだったが、右下隅のガラスが欠けていて片目で覗けた。