「人間が吸血鬼になる瞬間に立ち会えると思ったのに残念だ」 サトウの意味深な言葉に気を取られていた倉成は手の甲に針を刺された瞬間を目で見ることができなかった。 「いま、なにをした?」 「別に」 瑠諏はそう言いながら針の先端についた血を舌の真ん中に密着させ、指先で針をクルリと回転してすべての血を舐めきった。