吸血鬼は淫らな舞台を見る



「金額は100万ドル。いや、血液を取り戻すという条件つきで半額にしたんでしたね」

 瑠瑠がサトウの質問に具体的な内容を付け加えた。


「どうして金額のことまで知ってるんだ?そうか、盗聴器だな!」

 倉成は押入れをゴソゴソ漁るとハンディレシーバーを手に取り操作をはじめるが、ピィーというインバーター音のノイズが無機質に繰り返されるだけだった。


「そんなことしても無駄だ」


 サトウのひと言が拍車をかけたのか、倉成はハンディレシーバーを両手で握り締め、緑色の液晶パネルを見詰める目に熱が入る。

 警察による違法捜査の証拠を掴むため、周波数を合わせようと必死だ。