「瑠諏ビンといいます。自己紹介が遅れて申し訳ありません」

 瑠諏が頭を下げる。


「とてもわかりやすい格好をなさっているのね」


「ええ、吸血鬼だということを間接的に教えてあげないと心臓麻痺を起してしまう人がいますから」


「面白い冗談。よくお喋りになるのね」


「吸血鬼が無口だというのは迷信です」


 2人は波長を合わせるように笑った。


 その後、倉成が宮路家に押し掛けてお金をせびり、危害を加える可能性もあるので原田に外で見張りをさせることにした。