吸血鬼は淫らな舞台を見る



 千鳥柄でモスグリーンのワンピースを着た細身の若い女性がうつむきながらドアを開けた。


 目、眉、鼻、口の各パーツがどれも小さくて細く、無駄に主張していない。

 前髪をきれいに切り揃えたおかっぱ頭の黒髪が光沢を放ち、和人形のような清楚な雰囲気を漂わせる。


 名前は宮路由貴、24歳。


 彼女は大学時代に宮路晋吾と知り合い、そのまま結婚したので職歴はなく、子供は授かっておらず、両親も住んでいない。

 その割りに無駄なくらい家は大きい。


「マイケル・サトウです」

 警察手帳を見せて身分を証明すると由貴は家の中へ入れてくれた。