吸血鬼は淫らな舞台を見る



「あ、これですか。本物じゃなくペイントですよ。迷子にならないために住所を記してるんです。それよりサトウさんは大丈夫なんですか?」

 瑠諏は刺青のことについてあまり触れられたくないのか、話をすりかえた。


「ああ、おれはなんともない。すまんな。肝心なところで足を引っ張ってしまって」


「お互い様ですよ」

 瑠諏が恐縮するような言い方でサトウを励ました。


「それから、すみませんでした」

 唐突に瑠諏が頭を下げた。


「なにがだ?」