「これは割れたドアの窓ガラスに村尾が手をついて血がついたものです。村尾を追いかけている最中でしたが、サトウさんの車が見えたのでその隙に舐めてみました」
瑠諏がなにを見たのか、サトウはあえて聞かなかった。
やりきれない思いだけが残る。
殺人犯を捕まえ、動機がわかっても心は晴れない。
「傷は大丈夫なのか?」
「吸血鬼は治りが早いんですよ」
瑠諏は刺された左腕を自慢げに袖を捲って見せた。
傷はきれいにふさがっていた。
「へぇ~噂には聞いていたが便利な体だな。ところでその刺青はなんだ?」
サトウが左手首に刻まれた黒い英数字の刺青を指さす。
瑠諏がすぐに袖を戻したのでサトウは読み取れなかった。



