「どけるんだ、瑠諏!」 「だめです」 「頼む!」 「躊躇してたんですが……証拠があれば逮捕できますよね」 瑠諏がさっきまで腕に刺さっていた包丁の柄を指で摘んでぶら下げるようにしてサトウに見せた。 刃渡り35センチほどの刃先から血が滴り落ちている。 「その包丁がどうかしたのか?ああ、きさまを刺した証拠品ということか」 村尾はひとりで納得して答えを導いた。 瑠諏はそんな村尾を無視して包丁を舐める真似をした。