吸血鬼は淫らな舞台を見る



「おいおい、おれがいつ人殺しを認めたんだよ。誤認逮捕もはなはだしいぜ。このまま警察に行ってあんたらに自白を強要されたと泣き叫んだっていいんだ」


 村尾の開き直りともいえる態度に、サトウは言い返す言葉が見つからなかった。


「私は警察官じゃありません。だからあなたを咬み殺すことだってできるんです」


 瑠諏の静かな闘志を村尾は背中に感じて振り向く。


「やるならやってみろよ、吸血鬼野郎!なぁ刑事さん、もしおれがコイツに襲われそうになったら助けてくれるんだろうな?」

 村尾の挑発を瑠諏は無表情で乗る素振りを見せなかったが、感情が表に出てしまったのはサトウのほうだった。