「いいや、わかってない。おれたちは人間を次のレベルへ引き上げてやれるのに最近の扱いは目に余る」 「レベル?」 「得体の知れない伝染病が蔓延(まんえん)してバタバタ人間が死んでいく中、おれたちに噛まれた人間は感染せずに生き延びることができる」 「血を吸う化け物になるオマケつきじゃろ」 老人の目が卑しく光った。 「人を襲わないという契約を交わしてから吸血鬼の犯罪は起こっていない」 男は迎賓館で行われた調印式の出来事を持ち出した。