おそるおそる手を伸ばして、彼の手首をつかむ。 彼は動かずに、されるがまま手を差し出してきた。 無言で先ほどの彼と同じように手当てをする。 包帯を巻き始めたとき、彼はいきなりもう片方の手を伸ばして、あたしの首に触れてきた。 湿った髪の毛を一房、一房とよけていく。 首の片方が見えたとき、彼はゆっくりと体をかがめた。