何度か義父の剃刀を手首に当ててみたけど、それ以上勇気はなかった。 生きる力もなければ死ぬ力もないあたしって、なんだろう。 宗次朗に会わない日は毎日が白黒で、つまんなくて。 可愛らしい夏帆ちゃんを腕に引っ掛けて廊下を歩く姿を見ると胸がぎゅっとつかまれるほど痛くなって。 そんな死にそうな毎日を過ごしていたら、気が付いたらクリスマスを控える冬休みに入りかけていた。