「俺、好きな子いるから……ごめんね」

 
気持ちの良い春風が、あたしの前を通り抜け、告白した相手は苦笑いを零して消えていった。


……また、だ。


何度も見る光景に慣れてきている、あたしは小さく息を吐いた。

好きになって頑張って告白するも、振られてばっかりのあたし。


なぜだ?


別に唐突に告白してるつもりはない。

ちゃんと顔とか名前とか覚えてもらって、一応は順序を踏んでるつもり。


それなのに何で~!?


最近彼女と別れた。って聞いた来る者拒まずの真祐(マヒロ)君。

いつも彼女を見る可愛い笑顔にキューンてしてたんだ。


あたしも、あんな風に大切にされたいなって思った。


だから、別れたって聞いて告白したのに……この結果。


あたしは、いっつもそう。

好きになるのは、人より早い方だと自分でもわかってる。

だけど、いつもちゃんと本気なのに。


それなのに上手くいかない恋ばっかりの繰り返しなんだ。