「陽翔には俺のせいで琴音が泣いてるって言われるし、琴音なにも言わないで店出ていくし」
湊のせいじゃ、ないし…
それに…
「嫌いになんて、ならないよっ」
あたしのほうが、嫌われたと思った…
湊は、ホントにほっとした
ようで、肩の力を抜いていた。
「よかった」
といって、ふわっと笑う湊。
…かっこいい……
こんな時でも、かっこいいって
思っちゃう。
「俺は、お前のことしか考えらんないから…」
そんなこと、言ってくれる。
「うんっ…」
あ…
「そうだっ!これ…ありがとうっ!!」
貝殻を出して、満面の笑みで言う。
「…っ…どーいたしまして」
よかった…言えたよ…あたし。
ホントに、湊のことが好きなんだなって
改めて思った瞬間だった。