あたしは荷物をまとめて下に行く。 「遙、スパイク履いてないよ?」 普段の練習を靴で行う遙は、スパイクを忘れる事が多い。 「あ…家。」 …走ることしか考えてない遙。 「…はい、遙の。」 陸上部のマネージャーをするあたしは、遙の世話係も同然になっている。 「優衣、サンキューな。」 その笑顔は輝いてて、本当に陸上が好きだって語りかけてるよう。 「遙、100mのタイム計測。」 週1で行うタイム計測も、遙は毎回のように早くなっている。