《では、始めます!まず、30秒以内に隠れてください。まだ、撮らないでくださいよ?どうぞ!!》

しっせいに隠れてだす。

「うそだろ?こんな真夜中に命がけのかくれんぼって」

懐中電灯で辺りを照らしながら、急いでみつからなそうな場所をさがす。

《皆さん隠れましたか?ではかくれんぼスタートです》

まだ隠れてないし!!
‥しょうがない近くのトイレに隠れるか。

ガチャ

「ふぅ、まずは懐中電灯を消すか」

よく会談の話で夜のトイレがあるから少し怖くなってきた。

「今日は満月か‥倉庫の時は気づかなかったけど‥満月?そういえばあの暗号にも書いてたな‥」

ドア越しに見える満月を眺めがら暗号の意味を考えていた。

そのとき、

ガチャ

後ろのドアが開く音が聞こえた。

うそだろ!?

『‥人みーっけ!』

「‥っ!」

カシャッ

眩しい光とともにシャッター音が聞こえたかと思うとオレの写真を撮ったやつは走りだした。

「やばい‥!おい!まて!!」


オレも懐中電灯をつけ、そいつを追いかける。


ヤバい!

あの曲がり角を曲がったら体育館の入り口!それまでにどうにかあいつを‥!

「「いったー!!もうなんなの!」」

撮ったやつが曲がり角を曲がったとき聞きなれた声が聞こえた。

オレも急いで曲がると七海と撮ったやつがぶつかったらしく2人とも尻餅をついている。

「大丈夫か?‥ってそんなこと言ってる場合じゃなかった!なぁ、オレの画像消してくれない?」

七海がそんな場合って私の心配は!!とか隣で言っていたが今の状況を把握して何も言わなくなった。

『嫌だね!僕の家族は貧乏でお金に困ってんだ!!だから消すわけにはいかないよ!』

気持ちはわかるけど、そしたらオレは‥!

《皆さん今ある人が画像を見せてくれました。その人には一万円の贈呈ならびに消える方のお名前を発表しますー‥、それは、井上浩二様です》

‥井上浩二‥、もう撮られた人が‥。
オレも人のことは言えないが。

『‥そ、そんな‥!いつの間に!』

そう言いながらオレの写真を撮ったやつが小刻みに震えはじめた。

「「まさか、井上浩二さんってあなた?」」

『うわー!!消えたくないよー!』

オレの写真を撮った‥井上浩二は狂ったように走りだし、闇に消えっていった。