ドアを開けたマリーは驚いて足を止めた。

漫喫から帰ると、やけに興奮ぎみの菜々とアンジェラが、玄関で待ち構えていたのだ。

ナニ?コレ。
俺、ナンカした?

こんな顔で待ち伏せされる心当たりはねーよ?


「ナニ?」


内心の動揺を表情には出さず、あくまで冷静にマリーは訊ねた。


「マリーさん…
ネカフェに行ってましたネ?」


「…
漫喫な。」


マリーを凝視したまま口を開いた菜々に、マリーが返す。

なんだろう、この緊張感。
尋問?

てか俺、漫喫行ってくるって言って、家出たよな?確か。


「今日は駅前じゃなくて、結構遠くのネカフェですヨネ?
近くに大学がある?」


だから、漫喫だってば。

…あら?
場所まで言ったっけ?


「ひょっとして…
店の窓側の通路の、奥から二番目辺りのブースにいたり…?」


「?!」


ビンゴ?!