「これを付けろ。」



ピアッサーで穴を開けた後、渡されたのは蒼いピアス。



「これは?」



「蒼竜のチームカラーの蒼だ。蒼竜の姫しか付けることができない。」





姫だけ……。



「蒼竜の姫だから、“蒼姫”ですね。」




誰かがそう言った。




「蒼姫か。ぴったりだな。」




蒼姫……。




「お前ら、行くぞ。」




竜の合図により皆が倉庫を出て行く。


「奈々、来い。」




あたしに手を差し出す竜。
その手をそっと握ると、優しい笑みを向けてくる、愛しい彼。




特攻服を翻して倉庫を出る竜に続き、バイクの騒音とライトの光でいっぱいの世界に踏み入れた。