あなたが教えてくれた世界




そう言うイグナスを、アルディスは不思議そうに見つめた。


皮をものともせず、しゃく、しゃくと「美味しそう」と言う言葉がしっくりくる様子で食べ進めている彼。


……昨日は食事の時も無愛想だった記憶があるのに、今はいくばくか機嫌が良さそうだ。


意外とこう見えて、イグナスは果物が好きなのかもしれない。


「……あれー、イグナス、アルディス様と仲良いじゃん」


そんな中、突如割り込んできた能天気な声。


イグナスは全く動しず大きな溜め息をついた。


声の主は……言う必要もない。カルロだ。


先ほどまでブレンダの怒りを浴びていたのだが、いつの間にかこちらをみてニヤニヤした目を向けてくる。


また面倒な奴だと呆れつつ、イグナスもさすがに慣れたので特に反応もしない。


(……仲が良い!?)


……が、アルディスだけは慣れていなかったので、思わずその言葉に目を見開いてしまう。


仲が良いだなんて、そんなはず、絶対にない。


そんなことを言われても全く嬉しくないし。


この人は、一体どこを見てそんなこと思ったんだ!?


戸惑いと嫌悪感が混ざった複雑な表情をするアルディスに、まず反応したのはブレンダだった。


「……お前は!何故性懲りもなくアルディス様に話しかけるんだ害虫!!少しは黙っていられないのか!!」


そんな言葉と共に、カルロに怒りの拳が向かう。