こちらに気を遣って、平気なふりをするなんて、アルディス様はなんて健気で……いじらしい!
カルロめ!あいつのせいだな。不躾にアルディス様に近付いて、怖がらせるなんて!絶対に許さん。
これから、徹底的にカルロという害虫からアルディス様を守ろうと決心したブレンダだった。
残念ながら少し見当が外れていると言うことに、彼女はまだ気付いていない。
瞳に燃えるような決意の光をたぎらせ、ブレンダはアルディスに言う。
「ご安心ください。これからは、私があの男からアルディス様をお守りいたしますので!」
「……え?……あ、はい、ありがとうございます……?」
アルディスは突然のことに困惑しつつ、守ると宣言されたのでとりあえずお礼を言ってしまう。
ブレンダはまだ静まらない様子で、カルロ(とイグナス)が向かった方向を睨みつける。
……と、そこには。
「……お前、こういうことに関してだけは極端に仕事が早いな……」
そう、思わずブレンダが感心した声をあげてしまうほどに素早く買い物を済ましてきたカルロ(とイグナス)がいた。
ブレンダの言葉が聞こえているのかはわからないが、カルロは不満げな顔をして文句を言う。
「ブレンダ、50ユンって言ってたのに150ユンでしか売ってなかったんだけど。どこで買ったの?」
「知らん。ちゃんと道は教えた。お前が勝手にぼったくられて損しようが私には関係ない。それからアルディス様に近付くなこの害虫」
いつもにも増して目つきが鋭く殺気のようなものまで醸し出すブレンダに、当たり前のように馬車にもたれようと足を進めていたカルロも歩みを止める。


