あなたが教えてくれた世界




ブレンダの言葉に、アルディスは少し悩む。


勝手にものを食べたと知ったら、昨晩から神経質なオリビアが少し怒りそうだが、食べてみたい、という好奇心もある。


結局、後者に押されてアルディスは頷いた。


それを受けたブレンダは、少し微笑んで、店の方に足を向けた。


もちろんブレンダは、途中で下らない会話をしているカルロとイグナスに、「少し席を外す。お前らも油を売ってないでアルディス様を頼む」と言うのを忘れなかった。








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しばらくして、閉めていた窓が軽くノックされたので、先ほどと同じく細く開けるとブレンダが戻ってきていた。


「お待たせしました」


そう言う彼女の手にある、見慣れない黄緑っぽい果物に視線が吸い寄せられる。


「あ、ありがとうございます……それ、は?」


アルディスの視線を受けて、ブレンダは手にあるそれを掲げる。


「梨です。アルディス様はゼリーにしたりジャムにしたものなどしか食べたことがないかもしれませんが、そのまま食べるのも美味しいんですよ」


アルディスは確かに、ケーキなどになった梨なら食べた事があったが、実物を見たことは初めてだった。


「私の故郷ではよくそのまま食べました。水分たっぷりなので、喉が渇いた時に良いんですよ。お口に合うと良いのですが。お腹があまり空いていないと見受けたので、私と半分ずつでよろしいですか?朝ごはんもまだですし」