『おぉ、紅羅の分3個だけ』
「ごめんね、案外美味しかったから」
『案外って何だ、案外って』
ふふ、と笑った優はフォークを皿の端にかけて欠伸をおとした。
「那琉、本当ありがと」
目を細めて笑う隣に座る遠矢は少し動揺しているように見えた。
あえてそれは気にせず、笑いかけた。
『勝手にしたことをお礼言われる筋合いないよ』
すると、佳祐が喉を鳴らすような声でククッと笑った。
響もベランダで煙草を吸いながらニタリと口角を上げた。
「……バカ女はバカなのか」
『バカって呼んどいてバカって認識してないんだ』
鼻で笑ってやると夕季は眉をピクリとあげて拳を握った。
「夕季、」
夕季を制すのはいつも玲だ。
玲が寝ていれば優か遠矢だけど。
夕季は1つ舌を打って私を睨んでから顔を背けた。
「寝る」
「さっきまで寝てたじゃねぇかバーカ」
佳祐がバカにしたように言ったのを聞こえてたのか体を震わせたが、静かにそのまま寝息をたてた。
それを響と優、佳祐で爆笑して見ていた。
少し微笑んで穏やかな空間を楽しんだ。

