「……この話は後だ」
思案気な顔をした後、玲は低く呟いた。
『ほれ、皆怖い顔しないの』
可愛らしく切られた、世間で言うウサギの形をしたリンゴ。
それを見て「あぁ、那琉だ。」と響がケラケラと笑った。
……俺も心の奥では思ったけど。
その3〜4個剥いたんじゃないかという程の数に7つ、フォークが刺さっている。
『紅羅の分も残しておくんだよ』
俺の隣に座って肘掛けに肘をついて頬杖をつく。
それを横目にフォークをリンゴと共に口元に運んだ。
夕季はしゃくしゃくと口内に頬張って満足気に頷いている。
甘味好きなのか、辛味好きなのか…
リンゴを飲み込みながら玲に目を向けた。
あまり食べない響もあのご飯の後に関わらず食べている。
……本当に那琉、君は
俺達の歯車を弄るね。
良い方にも……
悪い方にも。
遠矢side-end-

