遠矢side
「ふー、元気なこった」
バタバタとリビングを出て行った紅羅と那琉。
それを見届けて肩を回す響は頑張りすぎた年寄りのようだ。
「紅羅、戻ったはいいが……
元気よすぎて疲れるぜ」
「ふふ、昔みたいでいいじゃん」
昔は紅羅と夕季と居なかったけど、紅羅の明るさはいつも目立っていたから。
ただのメンバーの時でも紅羅という存在は知っていた。
「……活気が溢れてきたね」
優は名の通り優しい笑みを浮かべて2人の去った方を見ていた。
「優、」
和やかな雰囲気だったが、玲がその低い声で優を呼んだことにより緊迫した空気へと一変した。
「……何?」
ニコリと笑った優の細められた目に、温かさは無かった。
「……何故、那琉の情報を売らなかった?」

