姫はワケあり黒猫様





リビングでは先程と変わらない光景が現在進行中で続いている。



皆の傍を通り過ぎて熟睡の夕季に布団をかける。



けれど、眉間にシワを寄せた夕季は鬱陶しそうに布団を落とした。


だが、まだ寝ているから……無意識に落としたらしい。


風邪引くぞ……




溜息を吐いてもう一度そっとかけると、今度は穏やかな寝顔を見せた。




可愛いな……



ほっぺをぷにぷにと触っていると紅羅が後ろから覗き込んできた。




「夕季寝たの?」




『うん、みたいだね』




「そっかー…つまんないの」





その言葉に紅羅も夕季が好きなんだ、と感じた。




いいなぁ、親友。




「夕季ちゃん寝ちった?」



響がからかうような口調で夕季の寝顔を上から覗く。





紅羅がそれを見上げて「うん」と少し寂し気に言った。




『よし、お風呂入れよっか』



「うわぁ、湯船だ!」



『…何その反応』



「……、俺達倉庫住まいだから、シャワールームしかないんだよね」



話を聞いていた遠矢は悲しそうに笑いながらそう言った。





……、



『よし、まんぱんだ!



入れにいこう!紅羅』


「うん!」



バタバタと2人でお風呂場に走って行った。